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ヒューマンフェノメナ 研究所   心理療法センター
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統合的イメージ療法

統合される技法 
増井武士(「心の整理学」1999年など)を基盤にした徳田の収納イメージ法、嶺のホログラフィートーク、小栗のUSPTなどを適宜融合的に使用しています。(実際臨床はそれぞれを単独に行っているのに近いのですが、互いに他の技法を取り入れると治療的により効果的だと考えられるとき、それを融合的に利用しています。)
治療の特徴
@  主にイメージを利用します。
A  悩んでいる方の気がかりなこと、ストレス、身体感覚を、直接扱います。或いは、心の部分(自我状態)に焦点づけて関わります。
B
 一つの気がかり、ストレスなことは15分〜30分で速やかに楽になります。(収納イメージ法単独の場合)
C これらによく適応するクライエントの方は、治療の短期化が実現します。
D  副作用はほとんど、或いは全くありません。(収納イメージ法単独の場合は、副作用はないと言えますが、他の療法の場合は、揺れが生じることもあります。しかし、この揺れは治療における必然とも言え、どんな治療法でもあります。)
 USPTでは、タッピングを利用します。
効果
@  心が自然と整理できます。
A  嫌な部分の悪影響が少なくなります。
B  気持ちが楽になり、不安、感情的なものが軽減します。
C  心理的なものと関連した身体の不快なものが、減少もしくは消失します。
 D  過去のわだかまりや、外傷体験が解消します。
 E  自分の過去を生き直すことができ、その事よって現在の問題が問題ではなくなっていきます。(ホログラフィートークの場合)
 F  気がかりなこと、ストレスに関する肯定的な側面に気づけます。
 G  無意識の心の部分(自我状態)が解消して、主たる自分と一つにまとまることができます。(USPT、ホログラフィートーク)
H 新たな肯定的な認知に気づくことができます。
I 新たな適応的な行動計画を思いつけます。


          <コメント>
心理療法の専門的な内容です。読みたくない一般の方は省いてください。
  まず、収納イメージ法を施行し出してから、驚きの連続でした。
とにかく素早く施行でき、そしてこの方法によく適応したクライエントの方なら素早く反応し素早く良くなるということです。(それは転移性治癒というものとニュアンスの違うものです。)EMDRも通常なら3回分の面接が1回くらいで終わるという素早さがありますが、その素早さとも、質が違うという印象です。(もちろん、問題が多岐に亘っているクライエントの方なら、それだけ時間はかかります。)
 この収納イメージ法を利用した治療の素早さは、「心理療法の本質に直結している」(徳田)からかも知れません。他の心理療法では、人間関係が語られたり、物語が語られたり、作品が作られたり、夢などのイメージが変容したりするのに、それなりの時間がかかります。ところが、この「収納イメージ法」は、そういうことは最小限で済み、問題の本質に速やかに到達し速やかに治癒に至らしめるという感じです。
 クライエントの方とラポールがつけば、すぐ(初回面接)に施行できます。私の経験で具体的に申しますと、不登校傾向と長年の軽度のアトピー性皮膚炎がある人では、不登校傾向に関して初めの3回、アトピー性皮膚炎に関して後半4回、トータル7回、期間にして7ヶ月(親の平行面接も施行)で全治しました。従来の伝統的な治療法では考えられないことです。或いは、ある初発の不登校傾向単独の人では、2回で済みました。
 また、この治療法は汎用性が高いことも特徴でしょう。ノーマルレンジの方のちょっとした悩みから、重篤な方の強い怒り、過去の外傷的体験、上述したように心身症的なものまで対応可能です。(以下にあるように、解離性障害の方には限界があります。統合失調症や双極性の方にはまだ、施行していません。)
 収納イメージ法だけなら、技法的にはそれ程難しくないということも、ここに上げるに値すると思います。もちろん、心理療法家としての基本的な見立てる力、共感性、イメージ力、臨床的柔軟性のあることが前提です。基本があれば、恐らくどんな臨床家もこれによって成果が得られると思われます。
 しかし、前述したように、収納イメージ法の限界は、深い解離部分にまでは到達しにくいところです。所謂解離性障害に近い病態を持っている方では、問題は残ってしまいます。
 それに対処する方法として、USPTが画期的な治療法と言えるでしょう。これは特に解離部分(解離性障害)に特化して編み出された治療法です。解離部分を直接呼び出し、辛い気持ちを捨ててもらい、すぐに主たる自分(主人格)と融合、統合してしまうというもので、そのようにうまくいけば、それまでにあった解離症状はすぐに消失してしまいます。これも初めて治療できた時には驚きでした。通常ならなかなか消えない解離症状(現実感がない、誰かの気配がする、など)が速やかに無くなるのです。(但し、解離性同一性障害の場合、交代人格の自己主張が強く、抵抗の強い場合には、時間が必要です。)
 そして、USPTのサブで使われる過去世療法、未来世療法も実に興味深い治療法です。伝統的な心理療法をやってきたものからすれば、そんなことができるのか疑わしく思うでしょうが、やってみれば、誰でも過去世、未来世のイメージを体験できます。USPTではこれをサブとして使うのですが、30年も昔、ワイス博士がこれを単独の方法としてやり始め、世界的に注目を浴びた治療法です。当所では、サブ及び単独でもやっています。
 次にホログラフィートークは、(神経症水準、人格障害水準までの)心の問題、心に基づく身体の問題は全て自我状態の問題として扱え、効果を上げられる汎用性の高い優れた治療法です。当所では、ノーマルな方から長期に亘るストレスがある方(複雑性PTSD)やUSPTですぐに融合しない解離性障害の方に、多く使用しています。

              存在的考察
 収納イメージ方を施行していると、心理臨床の根本とは何か、人間存在の根本とは何か、物性、世界というもは何かということを考えさせられます。深入りすると迷路に迷い込んでしまうような難問ですが、今感じていることを簡明に述べてみようと思います。
 収納イメージ法では、不安、身体の痛み、疼きなど、感じたり、思ったりしたことを身体から出すようにクライエントの方に求めます。ここがこの治療法の眼目だと思います。この時クライエントの方は、何らかのイメージ力でその事を成し遂げます。感情、身体感覚などをイメージ化し、身体から出し、そして、それをイメージされた容れ物に入れます。こうしてイメージすることだけで治癒するという事実は、そのイメージされたものは何らかの力があると考えざるを得ません。そのnegativeな感情、身体感覚がこれまで症状と関連しており、容器のイメージも何らかの力があるから、そのnegativeなものを閉じ込めることができると考えざるを得ません。治癒するから何らかの力があるだろうという逆算をしている訳です。
 さて、何らかの力の存在、イメージによる何らかの力、これを実体と呼ぶには、他の感覚器官によって知覚できないもの故、無理があるかと思います。しかし、例えば、心身症の人がその身体的症状が治るということを考えると、イメージによる何らかの力が、一定の空間をしめる実体である肉体的器官に変化を及ぼしている訳です。ということは、このイメージの力の存在は、実体に匹敵する力のあるものであるということは疑うことはできず、それが何らかの実体に匹敵する疑似空間的領域を形成しているということも類推できます。

 そこで、これを差し当たり「類実体」「類空間的存在」というふうに呼んでおきます。「類」はそれと同種のものというような意味です。
 ここで、意識の存在について見てみます。この治療法で、イメージを思い描こうとする意識をどう考えたらいいのか。意識については、様々な哲学者や脳科学者などが論じています。そういったことは、全て括弧に入れて、ここでは現実に則して言えることだけに言及します。まず、日常的には、意識といえば、ふと過去のことを思い出すこと、未来のことでどうしようかなと思うこと、現在の周りの状況を知覚すること、何かについて考えること、こういう現象を意識と言ってます。治療の場面では、治療者のインストラクションに従って、クライエントはイメージをしようと意志を発動します。この時の意識(意志)によってこそ、イメージは現出します。そして、そのイメージが実体である身体の症状に変化を与えます。ということは、元の意識(意志)にも、身体性のイメージがそうであったように、何らかの力があることは確かです。
 つまり、こうした臨床的現実の全体に亘って言えることは、力(エネルギー)が伝わっている、変換されている、ということです。アトピー性皮膚炎が、治療者の意図(意識)に始まり、クライエントのイメージを介して、正常な皮膚に変化する。この流れの中で、エネルギーが意識、イメージ、身体へと伝わり、変換されていった、と言えないでしょうか。
 普段、実体と思っている身体と、頭の中だけにあると思っているイメージが等価の存在だと言うことを、上の事実は示唆しています。
               イメージの種類
 ここで、一つ押さえておかなければならないのは、心理臨床のフィールドで、イメージと言えば、まず(夜に見る)夢、頭の中に浮かべる様々な映像、音、身体感覚、考えなどから、それらを書き記した夢の記録、箱庭の作品、絵画など、それなりに実体化されたものを指している場合まであります。
 この統合的イメージ療法では、ローマティアリアルである頭の中、身体の中のイメージを特に治療的に扱ういうとことが一つの特徴だと思います。
 また、フォーカシング系列、徳田「収納イメージ療法」などでは、イメージは特に身体感覚イメージを扱っていますが、この統合的イメージ療法では、身体感覚イメージを中心に、感情、思考、フリーイメージまで扱います。それで、臨床的に有効であることを確認しています。(それぞれに細かい配慮は必要ですが)
 このことは、上のエネルギーの変換ということを考えれば、自然に肯けることです。恐怖・・・身体の冷感、震え・・・不安・・・何か恐ろしいことが起こるのではないかという考え・・・この一連の内的変化は殆ど同時的或いは僅かな時間に体験することですが、身体・・・感情・・・考えと連関しているところをエネルギーが往来していると捉えてもあながち外れているとは言えないでしょう。それ故、どの分節でそれを扱っても、治療的に効果があるという可能性は論理的にも間違ってはいないでしょう。
            脳科学との関連 
脳科学者なら、シナプス(神経細胞)の繋がり方が変化したのだ、と説明するかも知れません。しかし、イメージされたものは、脳細胞を超えています。脳細胞やシナプスを基盤にしているかも知れませんが、イメージされたものは、脳細胞やシナプスそのものではありません。 
              素粒子レベルの問題として
脳科学では、神経細胞の大きさ、せいぜい脳内ホルモンのレベルまでしか論議されないのではないでしょうか。そのレベルでは様々なことが解明され、知見が積み重なっているようです。しかし、意識、イメージが本当に解明されるためには、素粒子レベルまでいかなければ、科学的解明は難しいのではないでしょうか。(或いは永遠の謎かも知れません。)
 ペンローズという数理物理学者は、「マイクロチューブルという脳内の蛋白質で人間には計算不可能なことができる」、「意識はマイクロチューブルにおける(量子論の)波動関数の収縮として起こる」と主張しました。これは未だ証明されていませんが、証明されるためには、タンパク質内の素粒子の量子重力的動きが解明される必要があるのでしょう。
 或いは、今、
 素粒子レベルで直接意識に関係しているのではないかと注目されているのが、「量子ねじれ」という現象です。これは量子(素粒子)同士が一度衝突すると、その二つの量子が時空を超えて同期するという現象です。親しい者同士が心が通じ合う(心が同期する)現象を説明できるのではないかという仮説が立てられています。